Friday, March 13, 2020

新型コロナウィルス対策に免疫力を高める可能性のある薬の調査方法案

新型コロナウィルスへの対応を検討するにあたり、以下の調査により有効な薬を発見する手がかりを得ることができる可能性が考えられるため、僭越ながらここに記載いたします。
新型コロナウィルス感染症では、軽症時から重症化するまでに時間があることから、重症時に投与できる薬ではなく、軽症の段階で投与することで、重症化させない、もしくは重症化を遅らせることができる薬の発見でも、現在の状況をかなり改善できるのではないかと考えております。
また本調査は、データさえあれば、現在多忙を極める状況の方々の手を煩わせることなく実施が可能であるため、並列実行性にも優れており、本命とはならないまでも実施しておいて損はない調査であると考えております。

目的:免疫力を高める可能性のある薬の調査

ここで言う免疫力とは、”新型コロナウイルスに感染しない対策の1つとして、「十分な睡眠とバランスのよい食事を心がけ、免疫力を高めましょう」”という際の「免疫力」と同等であり、この「免疫力」を補完する可能性がある薬を調査すると認識して頂ければ、認識として齟齬がないかと思います。
この調査の内容を簡単に言うと、何らかの病気のために特定の薬を処方され始めた人たちが、例えばその後風邪をひきにくくなったら、それはその薬がその人たちの「免疫力」を高めている可能性があるんじゃないかということで、そういう薬を探そうという試みです。

新型コロナウィルスに対し、人の免疫機能が有効であるという前提(自然治癒するということは有効と考えて良いと思いますが)とはなりますが、以下の調査により免疫機能を高める可能性のある薬がないか調査できるのではないかと考えております。(この方法では、今現在臨床試験が進められている薬のような、直接的に新型コロナウィルスの活動に干渉するような、重症患者に投与できる薬の発見は難しいのですが、色々な可能性を探るための一手としてこの方法を考えました。そのため、目的の薬が発見以外にも、何か医療に従事する方の気づきにつながる情報を導き出すこともできるのではないかと考えております)(ところで免疫増強薬としてイノシンプラノベクスというものが既にあるようなのですが、尿酸値の上昇など懸念はあるかと思いますが、こちらは新型コロナウィルスに有効である可能性はあるのでしょうか?)
今回の目標は、新型コロナウィルスの初期段階に投与可能な薬を探し出すことにあります。免疫力を高めるという点にフォーカスすることで、風邪でもインフルエンザでも新型コロナウィルスでも投与可能という薬を見出すことができれば、それがベスト(インフルエンザや、新型コロナウィルスの陽性反応が出なくても処方を判断できると思うので)ではないかと考えております。そこに至るためには本検証に加え、追加で検証が必要となってくると思いますが、どの薬を検証の対象とするかを決めるために、本検証が役に立つのではないかと考えております。
なお、私は医者でもなければ医療関係者でもない(私は一介のデータベースエンジニアです)ため、本調査実施に当たっては、必ず医療の専門家の観点で調査の妥当性をご確認ください。

検証手順
その1 健康保険利用のデータベースから以下の抽出条件で以下の情報を抽出する
※「健康保険利用のデータベース」は、既に厚生労働省より「医療保険医療費データベース」など、情報を集計し公開されているデータもあるため、情報の管理や抽象化、利用目的などの諸条件が整えば、少なくとも厚生労働省内部では検証に利用可能なデータなのではないかと考えている。

抽出条件
・個人に紐づく情報であること。(家族の情報が混ざってしまう場合には、抽出対象から除外する)
・長期にわたり定期的に処方が必要な薬が処方されていること。(これに該当しないデータを含めると、たとえ病気であっても病院に行かない方などのノイズが無視できないレベルで含まれる可能性を懸念しているため)

抽出する情報(その他の情報は、今回は簡単化のため無視する)
①保険番号(もとの番号が引き出せないように、新たにシーケンシャルな番号を割り当てる。保険番号が変わった場合に同一個人が紐づけられれば同一番号を割り当てた方が良いが、今回の検証は急ぎであり、また保険番号の異なる同一人物を別人と扱っても大きな問題とはならないと考えられるため、この対応は必須ではない)
②年齢
③性別(生理学上の性別)
④受診日(処方された日付)定期的に通院が必要な薬が処方される以前の情報はひとまず取り除く(後に処方前後の変化をみるために利用する可能性がある)
⑤受診地域(グループ内での特徴の分布に地域差が見られるかどうかの確認、および地域差が見られる場合にクループ分けの条件に地域を加えるために利用する)
⑥処方された薬(同一日の処方でも薬の種類ごとに1レコードとする)
⑦処方量(処方べき薬の量を判断するための参考情報)

その2 その1で抽出した情報をもとに、データを以下の条件で個人のクループ分けを行う
①年齢(ひとまずは10年単位。詳細にみる必要が出た場合に詳細化して利用する)
②性別
③処方された薬(定期的に通院が必要な薬を処方されている個人ごとに分類する。定期的に通院が必要な薬を複数処方されている場合には、その個人は複数のグループに所属する(定期的に通院が必要な薬の処方期間がずれる場合には、それぞれの処方期間がその薬のグループに属する期間となる)。後に、複数のグループに所属する個人を除いて差を比較すると新たな知見を得られる可能性あり)

その3 それぞれのグループから、グループごとの一定期間あたりの風邪の罹患率、罹患頻度、罹患期間を確認する
(外来の場合には1度通院すれば最低罹患期間を5日とし、風邪が治癒するまでに通院した期間を罹患期間とする)風邪の罹患は処方された薬から判断する。
(一般的な病気として風邪を選択しているが、他に妥当な病気があればそれに変更して検証していただいて構わない)
なお、罹患率、罹患頻度、罹患期間の平均値は、両極端の値は捨てて、分布の中央付近で平均を取ったものを使用する。(薬によって、極端に風邪をひきやすくなるものが含まれる可能性があるため、両極端は平均値を出すためには使用しない)

その4 上記の結果から、有意な差が認められるグループ(母数が少ない場合には追加の検討が必要)の薬を免疫力を高める可能性のある薬とし、免疫力を高める可能性のある有効成分を検証、特定した後、新型コロナウィルスに関わる医療現場で実証を進める
なお、本検証で得られた免疫力を高める可能性のある薬は、以下の観点について追加で考察・検証を行う必要があるため、留意されたし。
・風邪に対する免疫力を検証したが、新型コロナウィルスに対しても免疫力を高める効果があるか
・新型コロナウィルスに対し、重症となる前に免疫力が高まるか(長期処方される薬を検証の対象としているため、免疫力が高まるまで時間がかかる可能性がある)
・新型コロナウィルスに罹患した患者に投与できる有効成分を抽出できるか
(特定した有効成分によっては、そのまま医療現場で利用できない可能性があることに注意。その場合は、医療現場で利用できる有効成分にできないか検討することが必要になるが、時間がかかる作業になると想定されるため、次に有効と考えられるグループの有効成分の利用を検討する)
・サイトカインストームのリスクに変化(増加/減少)はあるか

その5 日本の医療現場で効果が確認され次第、その薬の世界展開をWHOに打診する
このため、対象の薬は特許が切れているか、そもそも特許がないものが望ましい。(そうでないと薬の浸透が遅れて被害を最小化できないことが懸念される)

注意点:情報を取り扱うにあたり、以下の点を考慮し対応を行うこと。
・厚生労働省の健康保険利用のデータベースからデータを抽出する(シーケンシャル番号を採番する)作業は、個人情報を取り扱う際に必要な措置を講じるとともに、極力少人数で行う。(可能なら1人で実施することが望ましい)
・抽出後データも、誰という個人は特定できないものの、個人に紐づくデータであることに変わりはないため、取り扱いを厳重にし、外部への流出がないように措置を講じる。
・個人のグループ分けを行った際に、グループの母数が100以上となったグループのみ結果を公表してもよい。100未満のグループは結果は公表しない。(すべての年齢の合算、男女の合算などで100以上にできる場合には、その単位で公表してもよい)
・実施にあたっては、厚生労働省の担当官の承認および、内閣もしくは国会の承認を得る必要がある可能性があるので、必要な承認を確認し承認を得ること。
・恐らく同一(もしくは近しい)となるであろうソースとして、「医療保険データベース」というものが既にあり「医療保険医療費データベース」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken14/)などが既に公開されている。

なお、この検証方法は本検証に限らず、既存の長期服用の薬の異なる側面を探ることができるため、今後は医療関係者や医学生が利用できるシステムとして整備しておくことが望ましいと考えている。
それにより、既存の薬を活用できる幅が広がり、医学の発展、医療費の圧縮にも貢献するのではないかと考えている。

以上。