Friday, April 10, 2020

新型コロナウィルス、肺胞での防御機構を考える

前回、粘液の性質を変えるアイデアを考えていた際には、肺胞には粘膜がないということが考慮できていなかった。(喀痰が肺胞にもあることを考えると問題ないのかもしれないが)
予防の観点で極力穴がないようにしておきたいため、今回は肺胞において新型コロナウィルスに対抗するための方法がないかを検討したいと思う。

そう考えて、肺胞の構造をインターネットで調べていたのだが、肺胞には既に薬で性質の付与を行わなくとも、新型コロナウィルスのエンベロープを破壊する可能性のある分泌物が分泌されていることが分かった。
それは、「肺サーファクタント」というもので、肺胞の内面全体に薄く広がっているものと推定(今のところ私の想像なので、要確認)される。「肺サーファクタント」の成分のほとんどは界面活性剤で、その役割はWikipediaには「表面張力によって肺胞内から空気が虚脱するのを防ぐために、肺を持った動物は、界面活性剤が持つ性質の1つである表面張力を緩和する作用を利用すべく、肺胞内に肺サーファクタントを分泌している」とある。
「肺サーファクタント」の成分のほとんどが界面活性剤なら、肺胞の内側からウィルスが感染しようとした場合、その過程で「肺サーファクタント」を通過しようとした際に、界面活性剤の効果によりエンベロープが破壊され、ウィルスは不活化されるのではないだろうか?
もしくは「肺サーファクタント」が細胞に対して吸着する(私が確認したソース)のと同じように新型コロナウィルスのエンベロープに吸着し、肺胞上皮細胞に対する感染力を失わせているのではないだろうか?(この場合は、「肺サーファクタント」と吸着された新型コロナウィルスが肺胞マクロファージに貪食された場合、新型コロナウィルスが不活化されるのか、逆に肺胞マクロファージが感染されてしまうのか、もしくは肺胞上皮細胞に吸着した「肺サーファクタント」と反発してマクロファージに貪食されず、呼気と共に外に放出されてしまうのか、あるいはそれ以外のことが起こるのかについて確認が必要)
つまり、前々回お話させて頂いた「獲得免疫ができるまでウィルスを食い止める堤防の役目」を、この「肺サーファクタント」が行っていることになるだろうか。(もし不活化までしているとなると、獲得免疫ができるのを待つまでもなく、肺胞からはウィルスがいなくなってしまうかもしれない)

①「肺サーファクタント」は、肺胞の内側全体を覆っているのか(覆っていない部分があるのか)
②「肺サーファクタント」に、新型コロナウィルスのエンベロープを破壊する力はあるのか、もしくは「肺サーファクタント」が細胞に対して吸着する(私が確認したソース)のと同じように新型コロナウィルスのエンベロープに吸着し、肺胞上皮細胞に対する感染力を失わせることができるのか
③「肺サーファクタント」の分泌量は、加齢により低下するのか
上記3点は、専門家に確認しないことには、正しい情報を得ることができないため、まずは何としても確認してみようと思う。
もし、上記がいずれも想定通りなら、「肺サーファクタント」の分泌を促すことで、新型コロナウィルスの肺胞内部からの感染の可能性を、少しでも下げられるかもしれない。(※「肺サーファクタント」は分泌過剰でも問題を起こす可能性(私が確認したソース)があるようなので、必ず医師や薬剤師の管理を受けること)
【2020/04/25追記】「肺サーファクタント」の分泌を促すことが感染の可能性を減らすことにつながらないことについて、末尾に追記したのでご確認頂きたい。
ただし、新型コロナウィルスが、肺胞内部からではなく、例えば血流に乗って肺胞に感染しようとした場合などには、「肺サーファクタント」は役に立たない可能性が高いと思われるため、過信は禁物である。あくまで、可能性のひとつを極力小さくするというイメージになるだろうか。
【2020/04/26追記】
以下のリンクでは、血中の好中球が活性化されることで、肺サーファクタントが不活化されるケースが記載されている。
http://rods777.ddo.jp/~s002/tisiki/surafactant/mechanism1.html


もし、「肺サーファクタント」が年齢により分泌量が減少していくのなら、新型コロナウィルスの致死率が年齢が高くなると高くなるという傾向に、少なからず関与しているのかもしれない。

上記①②③については、専門家から情報が得られ次第ここに追記する予定なので、期待しないで待っていて頂きたい。(今のところ専門家は皆様冗談抜きでお忙しいようで、私ごときの戯言にお付き合いいただくのはなかなかに難しく)
このブログを読まれた方で、もし呼吸器の専門家に確認する機会に恵まれた方がおられたら、是非この件を確認して結果をコメント頂きたい。

【2020/04/21追記】
①について、以下リンクのドキュメント(かなり古い)により、肺胞の内側全体を覆っているようだということが確認できた。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrs1963/10/11/10_11_581/_pdf/-char/ja
この資料では肺サーファクタントが末梢気道でも分泌されている可能性にも言及されており、肺サーファクタントの分泌を促すことで、限定的ではあるが前回の薬の開発で行おうとしていたことが実現できる可能性が出てきた。院内感染などの対策のひとつとして利用できると良いのだが、こちらもやはり専門家に確認しないことには、最悪の場合逆効果となる可能性もあるため、素人判断は危険である。
肺サーファクタントがエンベロープに吸着するケースを追加。
確認すべき内容に③を追加。
肺サーファクタントの過剰分泌の問題について記載。

【2020/04/22追記】
以下のリンクで、肺サーファクタントの成分がインフルエンザA(H1N1)pdm09に高い親和性で結合し、組織培養において感染細胞から非感染細胞へのウイルスの拡散を阻害することが示されている。また、マウスに1000プラーク形成単位(pfu)の典型的な致死量の(H1N1)pdm09を投与した場合の結果には驚かされる。
臨床で確認されたデータではないので、必ずしも人の体で同じことが起こっているとは言えないとは思うが、インフルエンザAウィルスもエンベロープを持つウィルスであり、インフルエンザAウィルスと新型コロナウィルスのエンベロープの由来(例えば細胞膜由来など)が同じであれば、同様の現象が起こる可能性を多少は考慮しても良いものなのだろうか?
https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/31882535

【2020/04/25追記】
幸いなことに、専門家(岩手県)の方の意見を伺うことができた。
肺サーファクタントは、通常の状態であればウィルスに対するバリアの役割を果たしている可能性(エビデンスがないので、あくまで仮説であることに注意して頂きたい)はあるが、気道上皮細胞などで感染が起こり、炎症が起こると、血清成分の染み出しが起こり、それが肺胞に流れ込んだ場合、肺サーファクタントの(表面張力に対する)機能を破壊するため、少なくともそのケースでは同じように肺サーファクタントはバリアの機能も果たせないであろうと。(つまり肺サーファクタントの分泌促進には、この件に対して意味がない可能性が高い)
このような時期にもかかわらず、ご対応いただいたことに感謝を申し上げたい。
今回のケースでは、私は血清成分の染み出しにより肺サーファクタントの機能が(アルブミンなどと結合することにより)破壊されるという情報を得ていたにも関わらず、それが気道から流れ込むパターンをイメージできていなかった。

以下は、私の考察であるため、少し強引な仮説になるがご容赦頂きたい。
肺サーファクタントがバリアの機能を果たしている前提では、そのままの機能を維持するには、炎症による血清成分を肺胞に流入させないことが重要でありそうである。
例えば前回考えた薬でも、それが可能であるように思われる。
ただし、以下の考慮は必要となるだろう。
・その薬そのものが炎症を引き起こさないこと(つまり細胞膜にダメージを与えることは許容されない可能性が高い)
・エンベロープを破壊されたウィルスが炎症を引き起こさないこと(感染前にエンベロープを破壊できる場合は、ウィルスの量が少ないため、例え炎症を起こすとしても、こちらの条件は無視できる可能性はあるかと思う)
肺サーファクタントの分泌云々は、少なくともこれが達成できている状態でないと考える意味がないようである。

また、今回情報が補完されたことにより、1パターンに過ぎないが、無症候感染から肺胞上皮細胞への感染まで、仮説に連続性を持たせることができたので、それに対してどういったアプローチが可能かを検討しようと思う。

Wednesday, April 8, 2020

新型コロナウィルス、パンデミックを一気に終息させるレベルで有効な薬を考える

前回、新型コロナウィルスが無症候の状態で他者に感染させる仕組みを考えた。
この過程が正しいとした場合、どのような薬があればパンデミックを一気に終息させることができるだろうか?

まず、ワクチンが開発されて実用化されれば、パンデミックは終息するだろう。
課題としては、以下のようなものがあるだろうか
①世界中に行き渡らせるための量産体制をどのように構築するか
②新型コロナウィルスの変異に対して包括的に効果があるか
③抗体依存性感染増強(ADE)など、副作用の問題はないか
①に対しては、欧米が多大な投資を行っているというニュースなどが簡単に検索でき、
③に対しては、実用化に至るまでの段階で可能性を減らしていくことになるだろう。
②に関しては、検証の段階で各地からウィルスを収集し、効果の検証を実施するのではないだろうか。

それ以外に例えば、自然免疫の増強でウィルスの侵入を食い止め、同時に血漿療法でウィルスを攻撃しすれば、感染期間を一気に短縮できるかもしれない。
ただし、この場合何らかの方法で感染を検知しなければ血漿療法を始められず、無症候で感染を広げるということはなくならないかもしれない。(血漿療法が既に予防的に利用できる、もしくは利用できるようになればこの問題をなくすことができると考えられる)
次に、ウィルスは常に変異を繰り返しているため、それでも同じ抗体が同じ効果を発揮し続けることができるかという問題である。これはもし同じ効果を発揮しないとなった場合には、何かそれを補う手段が必要になるが、例えばもっと技術を前に進めて、ウィルスの遺伝子からウィルスの異変までを予測し、必要なバリエーションの抗体をデザイン、精製、投与できるようになることで解決できるのではないだろうが。
上記の想定は、私の不勉強もあり、正確性を欠いている可能性があることをご留意頂きたい。(ご指摘いただければ、修正いたします)

さて、カルボシステインという薬をご存じだろうか?
Wikipediaでは「喀痰の粘稠度(ねんちゅうど)を下げ、その排出を容易にする。」とある。私はこれを粘膜から分泌される粘液を変質させていると理解しているのだが、あっているだろうか?
薬で粘液を変質させることができるなら、粘液にウィルスのエンベロープを破壊する性質を付与することはできないだろうか?
つまり、自然免疫がウィルスの侵入を粘膜で食い止めている間、粘膜表面の細胞で増殖したウィルスが細胞から出てきたところで、粘液によりエンベロープを破壊し不活化するのである。
ボウフラの湧いている水たまりの上に、蚊取り線香の煙を充満させておくようなものと言えば、少しはイメージしやすくなるのだろうか。
このタイプの薬であれば、予防としてあらかじめ服用しておくことができるように創薬することはできるのではないだろうか。
この方式だと、外の世界から侵入しようとやってくるウィルス、粘膜表面の細胞で増殖したウィルス、どちらにも対応が可能であるため、必然外へ出ていき他者へ感染するウィルスも激減すると考えられる。
なお、粘膜に障害があり粘液にむらがありそこからウィルスの侵入を許したり、健康でも粘液による破壊を免れて粘膜に感染するウィルスは0ではないはずなので、過信は禁物である。
また、抗生物質における耐性菌のように、ウィルスが何らかの耐性を持ちエンベロープの破壊を免れたり、エンベロープを破壊されても活性を維持し続けるようになる可能性は当然考えておかねばならず、例えこの薬が著効したとしても、他の薬の開発や検証は続けなければならない。バックアッププランを充実させておくことは重要である。

【2020/04/10 追記】
また、粘膜は肺胞にはないようなので、この方法で対応できるのは気管支までであると考えた方が良いだろう。カルボシステインが「喀痰の粘稠度(ねんちゅうど)を下げ、その排出を容易にする。」ということなので、それと同じであれば喀痰が肺胞にもあることを考えると問題ないのかもしれないが。
肺胞における、新型コロナウィルスに対する防御方法については、次回考察する。

ただ、ウィルスのエンベロープは、こちらもWikipediaによると「エンベロープは、ウイルスが感染した細胞内で増殖し、そこから細胞外に出る際に細胞膜あるいは核膜などの生体膜を被ったまま出芽することによって獲得されるものである。」とあり、[ウィルスのエンベロープを破壊する性質]≒[細胞の細胞膜を傷つける性質]であり、薬にするためには以下のようないずれかの対応が必要となるだろう。
①ウィルスのエンベロープを破壊するのに十分な薬の強度を見極め、薬が過剰な破壊力を持たないようにコントロールする
②何らかの方法でウィルスのエンベロープにしか作用しないように細工をする(例えば、細胞の大きさに比べ、ウィルスがはるかに小さいことを利用して、ウィルスのサイズの球形の脂質二重層を検知して働くようにしておくなど)

創薬には上記のような課題があるものの、逆にエンベロープが感染した細胞由来であるということは、ウィルスが変異を繰り返しても、エンベロープはその影響を0とは言えないまでもほぼ受けないということであり、ウィルスの変異に対するもぐらたたきのような対応からは開放されるのでないだろうか?

また、今のところ私の勝手な妄想だが、この薬には以下のような特徴があると考えられ、パンデミックのような状況での利用にも耐えるのではないだろうか。
・錠剤化できるため、保管・輸送が容易
・今まさにウィルスに高濃度で暴露されているような状況・空間であっても、取り扱いに注意する必要がなくすぐに利用可能
・量産を行いやすい(生成方法さえ確立してしまえば、恐らくかなりの数の製薬会社で製造が可能)
・製造コストが高くならないため、薬価を低く設定できる
・最前線で戦う医療スタッフにも予防のために必要とされる薬であるため、一般の臨床試験とは比較にならないほど的確なフィードバックを得られる

当然、安全な創薬のために、臨床試験に至るまでに多くのステップが必要になるはずなので、それは抜かりなくクリアして頂きたいが、並列で評価できるものは並列化し、なるべく期間を短縮するということも検討して頂きたい。

なお、この薬は、治療に用いるという用途では、粘膜に付着しているウィルスを不活化する、外に吐き出されるウィルスを減少させるという効果は期待できるが、内部に侵入したウィルスには無力であることに、くれぐれも留意頂きたい。

対して、この薬は、医療従事者、介護従事者がウィルスに暴露される可能性がある場合、もしくはウィルスを他者に感染させてしまう可能性を下げる必要がある場合に、予防的に用いることができると考えている。
また、パンデミック、エピデミックにおいては、外出を要する者が、予防的にこの薬を服用することで、パンデミック、エピデミックを一気に終息させることができるのではないかとも考えている。
これらの用途には、前回の仮説か正しいか否かに関わらず使用できるはずだ。

ここでまた注意事項となるが、この薬はあくまで粘液があることで効果を示すことを想定するものであり、粘液が乾燥するような環境では十分な効果が得られない可能性がある。このため、薬のみで十分だと考えるのではなく、マスクなどと併用し(マスクの場合は、マスクそのもののウィルスに対する効果に加え、マスクによる保湿効果による粘液のうるおいの維持が期待できる)、相乗効果でウィルスと向き合うということを考えて頂きたい。

いかがだろうか?
この薬は本職の医療関係者から見て、実現の可能性のあるものに映っているだろうか?
また現在検討されている、様々な薬や手段があったとしても、この薬は有用であると考えられるだろうか?
一般の方にとっては、お騒がせして申し訳ないが、この薬はまだ実在せず、私が夢の薬(つまり効果も何もかもが妄想)の話をしているだけとご理解いただきたい。

Tuesday, April 7, 2020

新型コロナウィルス、無症候の状態で他者に感染させる仕組みを考える

どういうことが起これば無症候の状態で他者に感染させるということが起こるだろうか、ということを考えてみた。

あくまで一つの可能性だが、このウィルスに感染して無症候の状態というのは、体の中の何かがウィルスを駆除しきるということはできないものの、何か堤防(あくまでイメージ)のように働き、ウィルスの侵入(あくまで例え)を防いでいる状態というのが考えられるのではないだろうか?
そして、他者に感染させるというのは、ウィルスが堤防の外側(あくまでイメージ。ウィルスが自己増殖できるという意味ではないので注意。恐らく粘膜における、上皮や神経細胞のアポトーシスと再生が繰り返されるのではないだろうか)で増殖し、それが外の環境にばらまかれていると考えると辻褄が合うような気がするのだがどうだろうか?

もし、堤防(あくまでイメージ)のようなものがあるとしたならば、その役割をする可能性のあるものの候補筆頭は、自然免疫(のうちのどれか、もしくは複合的な働き)ではないだろうか。
つまり、無症候の感染者の体では、まず自然免疫がウィルスの侵入を食い止め、獲得免疫ができた段階でウィルスを駆逐していき、自然治癒するという過程をたどるのではないか。
そして、どれ程ウィルスが増殖したか、どの場所で増殖したかで、クラスター感染が起こるかどうかが変わってくるのではないか。(増殖場所によっては検体にウィルスが付着せず、PCRで検知できない可能性があるのではないか)

上記の仮定が正しい場合、このウィルス感染症は自然免疫力を高めることにより、重症化率を下げることが可能になる特性を持つ可能性が出てくる。
重症化後に自然免疫力を高めることが有効かどうかは、ウィルス侵入後に自然免疫がウィルスを押し返す(あくまでイメージ)ような働きをするのかどうかで変わってくると思われるので、仮説を検証するにあたり、そういった見極めも必要だろう。

また、ウィルスの侵入を許すケースとしては、少なくとも以下のようなパターン(あくまで素人考え)があることが想定されるため、それぞれの状況に応じた治療計画が必要になってくるかと思われる。
・ウィルスの増殖や年齢による自然免疫力の低下などにより、堤防の高さ(あくまでイメージ)が足りず、ウィルスの侵入を許すケース
・基礎疾患などによって、堤防に決壊箇所(あくまでイメージ)があり、そこからウィルスの侵入を許すケース

また、感染の状況(ウィルス侵入前/侵入後など)で、薬の効き方が変わってくる可能性も考えられ、留意が必要となるかもしれない。

どうだろうか。
この仮説は本職の医療関係者から見て、基礎研究や臨床試験で仮説を確認すべき内容となっているだろうか?
また治療計画をたてるにあたり、今の手探りの状況から、可能性として考慮するに値する参考情報となっているだろうか?
一般の方にとっては、この話はまだ検証されておらず、私の妄想レベルの話なので、信ぴょう性については、必ず専門家の意見を聞いて判断して頂きたい。

【2020/04/22追記】
以下のリンクでは、自然免疫の重要性がバリア的に働く仕組みを含め解説されており、興味深く読ませて頂いた。
http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0800050463.pdf

【2020/04/28追記】
以下のドキュメントに「無症候性の SARS 感染者は粘膜上皮のコロニー形成を起こしやすい傾向にあった」との記載あり。
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_casereport_200409_5.pdf

Saturday, April 4, 2020

新型コロナウィルスクラスター対策班のクラスター追跡力の強化について

新型コロナウィルスクラスター対策班が見えないクラスターの追跡に苦戦を強いられているという話を耳にしました。
現状の体制をよく知らずにする発言であるため、的外れな内容となっている可能性があります。その場合は、どうかご容赦ください。

積極的疫学調査において、警察庁、警視庁との連携は既に実施されておられますでしょうか?
積極的疫学調査を行う感染症があるたびに毎回警察庁、警視庁と連携するというのは問題があるかもしれませんが、今回の新型コロナウィルスの拡大における積極的疫学調査では、感染の拡大状況、感染経路が不明な感染者の数、現状のクラスター対策班のキャパシティから、警察庁、警視庁との連携を現実的に見据える必要がある段階になっているのではないかと愚考しているのですがいかがでしょうか?
また、日本の治安を維持する警察庁、警視庁の立場としても、現在の感染拡大は治安の悪化を招く懸念から、重大事案となってきているのではないでしょうか?
今後感染拡大の勢いを抑え込むために緊急事態宣言がなされ、それでも事態が悪化し続ければロックダウン(法整備は必要でしょうが)に移行すれば、警察組織として取り締まりという形での治安維持活動を行わなければならなくなると思いますが、それより前の段階でクラスター対策に協力することで感染拡大を抑え込むことができるならば、より平和的な治安維持活動と言うことができると思いますし、経済へのダメージもロックダウンしてしまう場合に比べ、はるかに小さくなるのではないかと考えるのですがいかがでしょうか?

もし警察庁、警視庁の力を借りることができるならば、彼らは犯罪捜査のプロフェッショナルを大勢かかえているため、積極的疫学調査で行動履歴を追うことにかけては、非常に頼もしい助っ人となるはずです。それがたとえ日本全国にまたがったとしても。
また、携帯・スマートフォンの位置情報から行動履歴を追う際にも、全てのキャリアを横断して追跡することができるのも、彼らだけだと思います。キャリアを横断して追跡する必要があるのは、感染者と濃厚接触者の持つ携帯・スマートフォンのキャリアが異なることがあり得るためです。

当然のことながら、これらのことを行うには法的制限があり、現在の法律では対応できないのではないかと思います。
そのためこれを実現するためには、可及的速やかに国会で法改正を審議し、法案を可決成立させる必要があると考えています。
しかしながら、無制限にこれらのことを可能とするのは、人権などの観点から十分な時間をかけて審議すべき問題となってくるため、今すぐ審議できる内容ではなくなってしまうでしょう。
法案をすぐに可決成立させるためには、恐らく、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」における「積極的疫学調査」において、感染者と濃厚接触者の行動履歴の作成の目的に限り、厚生労働大臣の要請によりこれらの権限を開放するといったあたりを落としどころとするなど、目的に対して開放する権限をぎりぎりまで絞り込む必要があるでしょう。

これらは早急に検討しなければならないものと愚考いたしましたため、ここに記述させていただきました。

クラスター対策班の皆様におかれましては、非常に限られたリソースの中、最大効率で感染拡大を抑えて頂いていること、感謝申し上げます。
私の提案はその努力に水を差す側面もあるかと思います。
しかしながら、皆様が今対峙しているのは、間違いなく国難であり、同時に世界の危機でもあります。もし感染爆発を許容してしまった場合、今の状態とは比較にならない甚大な被害となることは、想像に難くありません。また、諸外国にとっても、この手法には限界があり、採用すべきではないという印象を与えてしまう可能性があるのではないでしょうか?逆に持ちこたえることができたならば、日本における被害を最小化できることに加え、ロックダウンで感染拡大を抑え込んだ国々が、ロックダウン解除後に感染拡大を抑え込むためにこの知見を利用できる可能性が出てきますし、この手法の応用で早期に貿易・国際交流を正常化・活発化することができるかもしれません。
そのため、皆様は新型コロナウィルスの感染拡大が落ち着くまでの間、このクラスター対策という手法が、この感染症の拡大防止に必要不可欠な手法であるということを証明し続けなければなりません。リソースの枯渇や探索手法の不整備で感染爆発を許してしまってはなりません。
警察組織の参画によって一時混乱することも出てくることも予想されますが、彼らは間違いなく行動分析にかけてはエキスパートですし、今までクラスター対策班で見えていなかった知見も提供してくれることと思います。
また、医療関係者でしかできないこと、警察組織でしかできないことがそれぞれあると思いますので、今この状況では特に情報連携が奏功することも多々あるかと思います。
見えないクラスターは、無症候性感染者が関与している可能性があり、その場合警察組織が関与しても意味がないんじゃないかという懸念もあるかとは思いますが、警察組織であれば恐らく別のアプローチでそこをつぶしていけるのではないかと考えております。
パーソナルデータの活用の問題については、スタッフを警察のチームに組み入れてもらうことで、データ管理の問題をクラスター対策班で考える必要がなくなり、分析に集中することができるようになるかと思います。
どうかご検討ください。

内閣総理大臣並びに内閣の皆様におかれましては、大変不躾なお願いではございますが、そもそもこういった連携が組織として可能なのか、警察の組織力を動員してクラスターの追跡を行った場合に追跡力はどの程度向上するのか、警察とクラスター対策班の連携や担当の分担はどのようにするのが効率的なのかといったことを関係省庁と連携してご検討いただけませんでしょうか?時間がありませんので、まず立法を優先して、行動履歴を追うことに長けた専門の捜査官(サイバーとリアルそれぞれ)が、クラスター対策班に参加してクラスター分析に必要となる情報を把握し、そこから警察組織に情報を伝搬させてクラスター対策班に連携する形で情報収集を行うといった流れが自然かもしれません。

また、国会議員の皆様におかれましては、新型コロナウィルスの感染拡大が落ち着くまでは、このような急を要する審議が何度もあるかと思いますので、それにご対応いただける体制づくりをお願い致したく、何卒よろしくお願い申し上げます。
何かある度にではなく、まとめて審議すべきとのお話はあるかと思いますが、本当に必要になったその時が、決めるべき内容や課すべき制限が明確であるために、必要とされる内容に最も即した議論ができ、すぐに合意がとれるのではないかと考えております。必要なものを必要なところにすぐに届ける必要がある緊急時には、この方式の方がよいかと考えておりますが、いかがでしょうか?
もちろん、審議中、長期的に議論しなければならないと判断された場合には、この限りではありません。もし可能なら、どういう内容なら即時合意ができるのか、その内容を示して頂き、できる限り即時合意を目指して頂けるとありがたいです。
また、法を施行する中で出てくる課題は必ずあるかと思いますので、適宜国会で審議を行い、修正を加えていただけると、課題への対応が迅速化できるかと思います。
大変お手数をお掛けしてしまい申し訳ございませんが、新型コロナウィルスの感染拡大が落ち着くまでの間、これらの対応をお願いいたしたく、伏してお願い申し上げます。

国民の皆様(私もそうですが)におかれましては、新型コロナウィルスの感染拡大が落ち着くまでは、情報収集に努めていただき、必要であれば議論し、よく考えたうえで、今自分が何をすべきか、何をしてはいけないかを判断し、行動して頂けますようお願い申し上げます。
なお、インターネット上(恐らく、SMSや突然かかってくる電話などでも)では、出所不明の怪情報が散見されます。これらの真偽を判断する助けとなる情報が、警視庁、警察庁、厚生労働省、各自治体のホームページにあると思いますので、必ずチェックするようにしてください。
例えば、今回の私の提案について、それが今本当に必要なのか(私は今の状況ならこの提案のようなことをしたほうがいいのではないかと思っておりますが)、またほかの方法はないのかなどを考えるにあたり、以下のリンクにある情報(URLの01の部分を02、03と変更していくと第2回、第3回とみることができます)などを確認してから再度考えていただくと、ただこの提案を読んだだけの状態より、より深い考察をしていただけるのではないかと思います。(こちらのリンクは、これまでのインフルエンザの流行に対して行われてきたことが、いろんな方の視点で書かれております)
http://www.cas.go.jp/jp/influenza/kako_01.html