というのも、肺胞の空気が入る側からの感染は、ないことはないのだろうが、症例などの情報を確認していくと、どうも肺胞の欠陥側から感染、もしくは炎症物質を含む血液が流れ込むことで血漿が肺胞の空気が入る側へと染み出しているケースが多いのではないかと思われ、それをまとめておくべきと考えたからである。
いつものことながら、私は医療の専門家ではないため、恐らく内容に間違いも多く含まれることになると思う。
このため、真偽については専門家の意見を踏まえた上で、判断して頂きたい。
もし間違いに気づかれた場合には、ご指摘ください。
①初期感染
まず、初期感染だが、ACE2受容体のある場所ならどこでも感染可能と考えている。
TMPRSS2がなければ膜融合が起こらず感染しないのではないかという話があるが、こちらの資料でSARS-COVではあるがウィルスがエンドソームに取り込まれずに膜融合を起こすパターンが確認されており、私は必ずしも膜融合にTMPRSS2が必要とは限らないのではないかと考えている。
このため、最初の感染場所は、鼻腔・口腔・気管支を含む気道、目の粘膜、食道あたりになるだろうか。皮膚からの感染は怪我などがなければ、ないのではないだろうかと考えている。
胃や十二指腸、小腸などでの初期感染もACE2受容体があるという点では起こりえるが、通常は胃酸によってウィルスが不活化されると考えられるため、初期感染は起こりにくいと考えている。
②感染後、おそらく無症候、軽症もしくは中等症まで
感染後しばらくの間は、自然免疫か何かの力によって局所的に感染が進行する期間があると考えている。
こちらは、以前のブログにまとめているのでそちらを参照頂きたい。
37.5℃程度の熱が続く期間も、はっきりとは言えないがここに該当するかもしれない。
③無症候、軽症もしくは中等症から
感染がさらに進行すると、ウィルス、もしくは炎症物質が血液に乗って流れだすのではないかと考えている。流れ出す量の過多は状況によって変わってくるのではないかと考えてはいるが、現時点でそれを整理できる情報を持ち合わせていないため、これについては機会があれば別途検討したいと思う。
血液は、必ず心臓を通り肺に至る。至ってしまう。
肺に至ったウィルスが感染を起こし炎症を引き起こす、もしくは炎症物質が肺に到達することで、血漿が肺胞の空気が入る側へと染み出し、肺サーファクタントと結合する。それにより肺サーファクタントが担っている肺胞の表面張力を緩和する作用が失われ、肺胞が潰れ微小無気肺をとなる。
この微小無気肺が肺のCTですりガラス影として映っているのではないだろうか。
この微小無気肺が増えることにより、肺が酸素を取り込み二酸化炭素を排出する能力が低下し、血中酸素飽和度が低下し、呼吸不全に進行していく。
こちらの症例のCT画像に関する考察が、非常に的を得ているように思う。
サイトカインストームについては、こちらに非常に詳しい解説があるため、こちらをご参照頂きたい。私から申し上げる点としては、このサイトカインストームは感染症の進行のある時点で、その瞬間からウィルスが全ていなくなったとしてもサイトカインストームが起こる条件が成立し、後にサイトカインストームが起こってしまうため、それが抗ウィルス薬の効果を見えにくくしているのではないかという懸念ぐらいである。
なお、無気肺については私の主治医の先生より、肺サーファクタントについては岩手県の専門家の方に情報を頂いた。ここに感謝申し上げます。
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