Wednesday, April 8, 2020

新型コロナウィルス、パンデミックを一気に終息させるレベルで有効な薬を考える

前回、新型コロナウィルスが無症候の状態で他者に感染させる仕組みを考えた。
この過程が正しいとした場合、どのような薬があればパンデミックを一気に終息させることができるだろうか?

まず、ワクチンが開発されて実用化されれば、パンデミックは終息するだろう。
課題としては、以下のようなものがあるだろうか
①世界中に行き渡らせるための量産体制をどのように構築するか
②新型コロナウィルスの変異に対して包括的に効果があるか
③抗体依存性感染増強(ADE)など、副作用の問題はないか
①に対しては、欧米が多大な投資を行っているというニュースなどが簡単に検索でき、
③に対しては、実用化に至るまでの段階で可能性を減らしていくことになるだろう。
②に関しては、検証の段階で各地からウィルスを収集し、効果の検証を実施するのではないだろうか。

それ以外に例えば、自然免疫の増強でウィルスの侵入を食い止め、同時に血漿療法でウィルスを攻撃しすれば、感染期間を一気に短縮できるかもしれない。
ただし、この場合何らかの方法で感染を検知しなければ血漿療法を始められず、無症候で感染を広げるということはなくならないかもしれない。(血漿療法が既に予防的に利用できる、もしくは利用できるようになればこの問題をなくすことができると考えられる)
次に、ウィルスは常に変異を繰り返しているため、それでも同じ抗体が同じ効果を発揮し続けることができるかという問題である。これはもし同じ効果を発揮しないとなった場合には、何かそれを補う手段が必要になるが、例えばもっと技術を前に進めて、ウィルスの遺伝子からウィルスの異変までを予測し、必要なバリエーションの抗体をデザイン、精製、投与できるようになることで解決できるのではないだろうが。
上記の想定は、私の不勉強もあり、正確性を欠いている可能性があることをご留意頂きたい。(ご指摘いただければ、修正いたします)

さて、カルボシステインという薬をご存じだろうか?
Wikipediaでは「喀痰の粘稠度(ねんちゅうど)を下げ、その排出を容易にする。」とある。私はこれを粘膜から分泌される粘液を変質させていると理解しているのだが、あっているだろうか?
薬で粘液を変質させることができるなら、粘液にウィルスのエンベロープを破壊する性質を付与することはできないだろうか?
つまり、自然免疫がウィルスの侵入を粘膜で食い止めている間、粘膜表面の細胞で増殖したウィルスが細胞から出てきたところで、粘液によりエンベロープを破壊し不活化するのである。
ボウフラの湧いている水たまりの上に、蚊取り線香の煙を充満させておくようなものと言えば、少しはイメージしやすくなるのだろうか。
このタイプの薬であれば、予防としてあらかじめ服用しておくことができるように創薬することはできるのではないだろうか。
この方式だと、外の世界から侵入しようとやってくるウィルス、粘膜表面の細胞で増殖したウィルス、どちらにも対応が可能であるため、必然外へ出ていき他者へ感染するウィルスも激減すると考えられる。
なお、粘膜に障害があり粘液にむらがありそこからウィルスの侵入を許したり、健康でも粘液による破壊を免れて粘膜に感染するウィルスは0ではないはずなので、過信は禁物である。
また、抗生物質における耐性菌のように、ウィルスが何らかの耐性を持ちエンベロープの破壊を免れたり、エンベロープを破壊されても活性を維持し続けるようになる可能性は当然考えておかねばならず、例えこの薬が著効したとしても、他の薬の開発や検証は続けなければならない。バックアッププランを充実させておくことは重要である。

【2020/04/10 追記】
また、粘膜は肺胞にはないようなので、この方法で対応できるのは気管支までであると考えた方が良いだろう。カルボシステインが「喀痰の粘稠度(ねんちゅうど)を下げ、その排出を容易にする。」ということなので、それと同じであれば喀痰が肺胞にもあることを考えると問題ないのかもしれないが。
肺胞における、新型コロナウィルスに対する防御方法については、次回考察する。

ただ、ウィルスのエンベロープは、こちらもWikipediaによると「エンベロープは、ウイルスが感染した細胞内で増殖し、そこから細胞外に出る際に細胞膜あるいは核膜などの生体膜を被ったまま出芽することによって獲得されるものである。」とあり、[ウィルスのエンベロープを破壊する性質]≒[細胞の細胞膜を傷つける性質]であり、薬にするためには以下のようないずれかの対応が必要となるだろう。
①ウィルスのエンベロープを破壊するのに十分な薬の強度を見極め、薬が過剰な破壊力を持たないようにコントロールする
②何らかの方法でウィルスのエンベロープにしか作用しないように細工をする(例えば、細胞の大きさに比べ、ウィルスがはるかに小さいことを利用して、ウィルスのサイズの球形の脂質二重層を検知して働くようにしておくなど)

創薬には上記のような課題があるものの、逆にエンベロープが感染した細胞由来であるということは、ウィルスが変異を繰り返しても、エンベロープはその影響を0とは言えないまでもほぼ受けないということであり、ウィルスの変異に対するもぐらたたきのような対応からは開放されるのでないだろうか?

また、今のところ私の勝手な妄想だが、この薬には以下のような特徴があると考えられ、パンデミックのような状況での利用にも耐えるのではないだろうか。
・錠剤化できるため、保管・輸送が容易
・今まさにウィルスに高濃度で暴露されているような状況・空間であっても、取り扱いに注意する必要がなくすぐに利用可能
・量産を行いやすい(生成方法さえ確立してしまえば、恐らくかなりの数の製薬会社で製造が可能)
・製造コストが高くならないため、薬価を低く設定できる
・最前線で戦う医療スタッフにも予防のために必要とされる薬であるため、一般の臨床試験とは比較にならないほど的確なフィードバックを得られる

当然、安全な創薬のために、臨床試験に至るまでに多くのステップが必要になるはずなので、それは抜かりなくクリアして頂きたいが、並列で評価できるものは並列化し、なるべく期間を短縮するということも検討して頂きたい。

なお、この薬は、治療に用いるという用途では、粘膜に付着しているウィルスを不活化する、外に吐き出されるウィルスを減少させるという効果は期待できるが、内部に侵入したウィルスには無力であることに、くれぐれも留意頂きたい。

対して、この薬は、医療従事者、介護従事者がウィルスに暴露される可能性がある場合、もしくはウィルスを他者に感染させてしまう可能性を下げる必要がある場合に、予防的に用いることができると考えている。
また、パンデミック、エピデミックにおいては、外出を要する者が、予防的にこの薬を服用することで、パンデミック、エピデミックを一気に終息させることができるのではないかとも考えている。
これらの用途には、前回の仮説か正しいか否かに関わらず使用できるはずだ。

ここでまた注意事項となるが、この薬はあくまで粘液があることで効果を示すことを想定するものであり、粘液が乾燥するような環境では十分な効果が得られない可能性がある。このため、薬のみで十分だと考えるのではなく、マスクなどと併用し(マスクの場合は、マスクそのもののウィルスに対する効果に加え、マスクによる保湿効果による粘液のうるおいの維持が期待できる)、相乗効果でウィルスと向き合うということを考えて頂きたい。

いかがだろうか?
この薬は本職の医療関係者から見て、実現の可能性のあるものに映っているだろうか?
また現在検討されている、様々な薬や手段があったとしても、この薬は有用であると考えられるだろうか?
一般の方にとっては、お騒がせして申し訳ないが、この薬はまだ実在せず、私が夢の薬(つまり効果も何もかもが妄想)の話をしているだけとご理解いただきたい。

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